読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

はがねのようせい

う~ん。私のそばには妖精がいて。

妖精と動物園 その2

ギャーギャーギャー ヒッヒッ ヒヒヒ ギャーギャーギャー 檻の前で私とハーさんは唖然と立ち尽くしていました。 そのチンパンジーは私たちの目の前で檻をガシャガシャと揺らしながら、不満すべてを世界すべてに伝えるように叫び暴れている。 「ほかのヤツは…

妖精と動物園 その1

妖精と公園を歩く。 太陽が出ていて、風が凪いでいた。 ここのところ、ちゃんと机に向かうことの出来ている私は、意外と毎日をキチンと過ごしているのです。 まあ、そう思っているのはきっと自分だけで、社会から見ればあからさまにドロップアウトなのでしょ…

妖精がいない町 その2

妖精のいない町。 私は文房具屋さんに入る。 バスで街に出て来た私は、用事を済ませ、老舗のデパートの地下食品売場にいるのです。 洋菓子の冷蔵ケースの前で、私はプリンを見比べている。 今となってはどうでもいいのだけれど、いいからとりあえずプリンを…

妖精がいない町 その1

妖精がいない朝。 まったく、私はバスに乗る。 朝。 マンションのドアを開けると、曇った空が私の水平に置いた目線の先に降りてきていました。 町に靄がかかっているのです。 そんな天気に私は落ち着く。 晴天よりもいわゆる曇天が好き。 隠された太陽の静か…

妖精とCを探す その2

フォォォーン、フズゥー、ブォウフフゥー。 妖精が、ハモニカ、吹いている。 押入れから引きずり出した山の様なガラクタはそのままに、私とハーさんはテレビの部屋に居るのでした。 ハーさんが持っているのはその中から見つけ出した電気ギターとハモニカ。 …

妖精とCを探す その1

いろんなものが出て来たぞ。 妖精が押し入れを掻き回している。 昔、私は文章を書くのが得意でした。いや、得意だと思っていたのです。 小さい頃は、文章が上手だね、と友達や身近な大人から言われたし、何より物語を考えるのが好きな子でした。 大人になり…

妖精と雪の道 その2

ざくっ!ぼふっ!ずずずずず。 妖精が雪を運んでいる。 また雪がちらついてきた午後。 スコップを買って家に帰ってきた私は、駐車場の雪かきを始めました。 妖精のハーさんも一緒に。 勤めていたころ、上司に言われて仕事場の駐車場の雪かきをしたことはある…

妖精と雪の道 その1

ぼふ!もこてん! 妖精がすべって転びました。 昨夜からの雪が止んだ山盛りの道の上。 転んだ妖精のハーさんの手から落ちたタバコが雪に包まれ、火を消しています。 「あはははは」 私はお腹を抱えて笑ってしまいます。おかしくて。 しばらく笑ったけれど、…

妖精がいて その2

妖精のハーさんは私の家に居ます。 今日もどこかに。 冬。朝10時。 テレビの画面だけが動く部屋。 今、私はまだ布団の中に居て。 そのテレビは『社会』というものを私に伝えているようで。 夫婦の、男と女の意見の食い違い。昨日から上がった株価。健康の…

妖精がいて その1

私のそばに、妖精がいて。 懐かしかった妖精がいて。 なぜ、おカネも仕事もない私の前に現れたのでしょうか。 この妖精は食事もするし、トイレにもいく。 妖精と過ごすには生活費がかかるのです。 お金の事で一杯だった私の頭は、口を使ってこんな言葉を吐か…